変大佐の備忘録

「こころのなか」

成人/自由落下

 本日20歳と相成った。年金やらなんやらと一人前の責任が降ってくるようになると思うとなんとなく気が重い。

 「大人になった実感がない」という常套句がある。我々が漫然と時を過ごしていることが如実に現れる文句ではあるけど、ぼくの場合には今まで「あれ、まだ大人になってなかったのか……」と感じることの方が多かった。それはクレジットカードを作ろうとしたときとか酒タバコの表示を見たときとか19歳のまま成人式を迎えたときとかであったのだけど、体感だと18歳の誕生日くらいの時には気持ちが成人していたような気がする。いや、本当にイメージだけの話なので一切何の実利もないのだけど。
 ちょうどいい節目なので、これまでの半生を振り返ってみたいと思う。

もし人生に題名をつけるとしたら

 ――みたいなタグが、数年前Twitterで小流行していたように思う。その時ツイートした内容が、この記事の副題になっている。今一度考え直してみても、これ以上ふさわしいものはないと思える。
 自由落下。何にも縛られず、自ら動かず、ただ重力という途方もなく大きな力に任せて加速していく――そんな半生だった気がする。

 本当に何となく生きてやりたいことをやってきただけなのに、行き当たりばったりでたまたま目についたきらきらしたものを手にとって眺めていただけなのに、どんな場所へ飛び込んでもその場の良縁がすべて助けてくれたような、そんな思い出ばかりが蘇る。たぶんこれからも行き当たりばったりに生きていくだろうけど、もしそこが冷酷な地であっても今度は自分が先導できるようになりたいものだ。

 次に半生を振り返ったときには、どんな題名がついてるんだろうか。